ジャック・メスリーヌ Part 1, 2

予告観て興味持ち、所用済ませて心斎橋シネマートへ。
休日だし冬休みだしアメ村の真ん中だし、学生が多いかな~と思いきや、全くそんなことなく。休日の昼2時なのに、お年を召した方、しかも男性が圧倒的に多い。ビックリ!
2作連続だし、かつてない白髪まじりの男性客の中で、やや緊張しながらも?鑑賞。


ジャック・メスリーヌ Part 1:ノワール編

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実在したジャック・メスリーヌの半生、Part 1はフランス(ちょっとだけスペイン)~カナダ~アメリカと大きく移動し、チンピラからギャングへとなる様を描く。
思ったより展開が早く、集中力をだれさせないテンポで話は進む。ただアルジェリア戦争での出来事や父親への葛藤など、もう少し描いてくれてもよかったかな。ちょっと性急すぎる箇所も少なくなかった。

しかし一方で、カナダでの投獄~脱出、そして約束を果たしに戻る過程はじっくり描かれており、この辺りはすごく見応えありました。
特にUSCの拷問は…。昔読んだ「スケバン刑事」にあった拷問と同じ、グアンタナモ並みの酷さ。なぜか射殺場面よりもキツかった。
脱獄シーンには、1分1秒が緊迫して、観てるこっちも手汗握ったし、「仲間が大事」なジャックらしく約束を守りに戻ってくる場面も、それはそれで佳かった。

でもここで、ジャック・メスリーヌに単純に感情移入できない仕掛けも、本作にはキチンと持ち合わせている。これがよかった。

例えば、奥さんとの出会いや大切にする温かい面を持ちながらも、キレれば銃を向ける暴力性や
バレそうになれば、なんの躊躇いもなく警官を殺す残忍性も、本作には描かれている

女には基本優しくて、友には厚くても
一瞬の暴力性や容赦の無さには、ただ恐ろしいとしか感じられない

その2面性を描いており、ジャック・メスリーヌを単純に英雄扱いしないところが、本作の魅力の一つでもあるのではないかと、思った次第です。



ジャック・メスリーヌ Part 2:ルージュ編

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Part 2はフランスに戻り、脱獄や強盗を繰り返し、最後までを描く。
Part 1の展開の早さは影を潜め、ちょっとテンポがだれた印象。1と続けて観たせいか、半ばちと疲れました。
脱獄には毎度ながら、ほんまにこれで成功するのか~という感じ。4回目の協力者には、ただただビックリ!職業意識はどこへやら…という感じです。

ただ1の方でもチラッとあったけど、2に至っては増々自己顕示欲が頭をもたげるというのか、メディアに踊らされ、ジャック自身も自分のイメージにコントロールされた印象が大きかった。ジャックが「メディアが、大衆が望む」と信じるイメージに、自分自身が取り憑かれている様は、何とも痛々しかったなあ。

また、ドイツ赤軍やチリのクーデターといった時代背景も見逃せない。極端な赤思想や、右翼行動がヨーロッパや世界で報道される中、自分をある意味革命家だとジャックが錯覚する様も、何とも言いようがなかった。第二次世界大戦中でナチスに関係した父親の存在があったことも、もちろん大きかっただろう。

メディアに起こされ、革命を反逆を口にするジャックを観て、ある意味ロックスターのような気取りがあり、観ていて非常に複雑でした。哀れな、とでもいいますか。

ともあれ、とうとう警察に徹底的にマークされ、変装で信号で…という終盤は、ハラハラしました。しかし、結局ジャックを殺したのは、警察ではなく右翼関係の報復なんだろうなあ? 見張ってる時ですらあんなに緊張して、しかも1~3人の配置だったようだし、途中で渋滞に巻き込まれてるし、「トラックはどこ行った?」て言ってるし。警察ではないよなあ、多分。

そして遺言を残したのに、シルヴィアの言葉は一体…。



まあしかし、見応えありました。

チラシにあるような「男の美学」というよりは、弱さ愚かさ大胆さがあって、人間ドラマとしてかなりおもしろかったです。
出演者もかなり豪華。日本のお正月映画みたい(なんとなく)。
ヴァンサン・カッセルは、ほんといい役者になったな~~~。2では随分腹が…と思ったら、20kg増量したのか。
同時期公開してる、同じく「社会の敵(パブリック・エネミー)」には宣伝で負けてるけど、こっちも評価されたし。